見上げていると、広大な宇宙にすっぽり包み込まれるような感覚になる。
丸い半球ドームに投影機で星を映す近代プラネタリウムは1923年10月21日、ドイツ博物館の屋上に初めて設置された。ドイツのカールツァイス社が開発し、今年、ちょうど100年になる。
日本プラネタリウム協議会(JPA)によると、全国で稼働中のプラネタリウムは、296施設(7月現在)ある。米国、中国に続く3番目の多さだという。
《皆さん、こんにちは。7月26日午後9時、大阪の空を再現しました。まずは街の中から星を探していきましょう》
落ち着いた語り口で、大阪市立科学館(大阪市)の学芸員、渡部義弥(よしや)さん(55)が、星空解説を進めていく。学芸員が投影しながら星空の解説をするのが同館のスタイル。渡部さんは投影回数6900回超を誇るベテランだ。
同館は、毎日7~8回投影し、子どもから大人までが夢中になって通ってくる。
「プラネタリウムは、絵空事ではなく、シミュレーター。空を見上げ、星を見るきっかけにして欲しい。この場所が、宇宙の窓でありたい」
1回1回の投影に込める渡部さんの思いだ。
日本で最初のプラネタリウム…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル